「今のプレー、なんで進塁したの?」と野球観戦中に首を傾げたことはありませんか?数あるルールの中でも、最も難解なのが「ボーク(反則投球)」です。
この記事は、「ボークを正しく理解したい」ファンの方や、わが子に防止策を教えたい保護者に向けて書きました。現役コーチの視点から、ルールが存在する根本的な理由や、頻出する4つの反則パターン、今日から実践できる防止策をどこよりも噛み砕いて解説します。
この記事を読むことで、審判の判定に惑わされず、マウンドと塁上の高度な駆け引きをより深く楽しめるようになるはずです。
そもそも「ボーク」って何のためにあるの?
ボークを一言で言うと、「ピッチャーがランナーをだますような動きをした時の反則」です。
野球は「ピッチャー vs バッター」だけでなく「ピッチャー vs ランナー」の心理戦でもあります。もしピッチャーが、「投げるフリをして牽制する」「いつ投げるか分からない動きをする」といったこと自由にできたら、ランナーは怖くて一歩も動けません。
そこで「投げるなら投げる、牽制するなら牽制。はっきり動こう」という公平性を保つために作られたのがボークです。
ボークが宣告されるとどうなる?
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ランナーは無条件で1つ先の塁へ進塁できる
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投球は基本的にノーカウント
※状況により例外はありますが、少年・中学野球では「ランナー1個進む」と覚えておけばOKです。
【まずはこれ】よくあるボークの4パターン
ボークの規定は細かく言うと13項目ありますが、実際によく見るのはこの4つです。
① 動きを途中で止めてしまう(静止の不履行)
セットポジションに入って投球動作を始めたら、途中で止まれません。
体験談
「バッターがタイムかけた気がして止まった」→ これ、少年野球でも本当によくあります。
② 「完全に止まっていない」
セットポジションでは1〜2秒、手と体がピタッと止まる必要があります。焦ってすぐ投げたり流れるように動いてしまうと審判から見ると「止まっていない」と判断されます。
③ 偽投(投げるフリ)
プレートに足をつけたまま、投げる動作や牽制の動作をしたのに、ボールを離さないとボークです。※1塁・3塁への牽制は必ず投げる(2塁は例外がありますが、初心者は気にしなくてOK)
④ 踏み出す足の方向が違う
牽制をするときは、投げる塁の方向へ、しっかり足を踏み出す必要があります。体はホーム向き、手だけで1塁へ投げてしまうのはランナーをだます動きとみなされます。
なぜボークは分かりにくいのか?審判の視点
ボークが難しい理由は、「ピッチャーに投げる意志があったか」という審判の判断が主観的な判断が大きく関わるからです。
たとえば、プレートに触れた状態でうっかりボールを落とてしまった場合 「投げようとして落とした」と見なされ、ボークになることもあります。初心者の方は、「動きがカクッと不自然だったら怪しい」くらいの感覚で見ておくと分かりやすいです。
お子さんがピッチャーなら伝えてほしいこと
指導現場でよく伝えているのは、この3つです。
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心の中で「イチ、ニ」と数える
→ 静止が安定します -
迷ったらプレートを外す
→ 外せば、その後は自由に動けます -
審判の傾向を早めに感じ取る
→ 厳しめか、流すタイプか
これだけで、ボークの大半は防げます。
2024年度のルール改正はあった?
結論から言うと・・・
日本の少年野球・中学野球レベルでは、ボーク自体の大きな改正はありません。
ただし、プロ野球・MLBでは近年、「牽制回数の制限」や「投球間隔の短縮(ピッチクロック)」などが導入され、「ボークを取られやすい状況」が増えているのは事実です。今後、アマチュアにも影響が出る可能性はあるため、「基本を丁寧にやる」ことがますます大切になります。
よくある質問(FAQ)
Q. ランナーがいない時もボークはありますか?
A. 原則ありません。
ボークは「ランナーがいる時」に適用される反則です。
Q. バッターが打ったらボークは消えますか?
A. 状況によります。
全ランナーとバッターが進塁できれば、プレー続行になることもあります。
Q. 左ピッチャーのクイックは全部ボーク?
A. いいえ。
自然でスムーズな動作なら問題ありません。不自然な“止め”や“だまし”があると取られます。
まとめ|ボークを知ると野球はもっと面白い
ボークは一見、「ピッチャーに厳しすぎるルール」に見えるかもしれません。でもこのルールがあるからこそ、、ランナーは思い切ってスタートを切り、ピッチャーは牽制で駆け引きをする野球ならではの緊張感ある勝負が生まれます。
次に試合を見るときは、ピッチャーの「足の出し方」「止まり方」に注目してみてください。「あ、今のは止まってないな」そう思えたら、もう立派な野球通です。


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