「練習はこなしているのに、守備が上手くならない」……。定番のノックですが、実はこれほど選手間で「残酷なまでに差がつく練習」はありません。単なる球拾いで終わるか、実戦力に変えるかが分かれ目です。
この記事は、「守備範囲を広げたい」選手や「効率的な指導法を知りたい」保護者に向けて書きました。現役コーチの視点から、ノックを実戦に変える「3つの意識改革」や、短時間で効果を出すトレーニング法を詳しく解説します。
この記事を読めば、1球のノックがアウトを取るための予行演習に変わり、試合で好プレーを引き寄せる「本物の守備力」を身につけるヒントが得られるはずです。
なぜノックで集中力が切れるのか?
原因は、ほぼこの2つです。
集中が切れる主な理由
-
目的がない
-
ただ捕って投げるだけ
-
何を良くしたいのか分からない
-
-
待ち時間が長い
-
自分の番まで気が抜ける
-
他人の打球を“見ていない”
-
私自身、高校時代にこの状態でした。「ノック=数をこなすもの」だと思っていたんです。
その結果、一番ダメな事故が起きました。
【失敗談】ノックで気を抜いた瞬間に起きたこと
高校2年の夏、慣れたノックで完全に気が抜けていました。
-
打球はいつも通り来る
-
次は自分じゃないと思った
-
一歩目が遅れる
結果、イレギュラーした打球が顔面に直撃。大事には至りませんでしたが、その時に言われた一言が忘れられません。
「ノックは練習じゃないよ。試合と思いなさい」
それ以降、ノック1球=試合の1プレーという意識に切り替えました。
一球を「試合」に変える3つの意識改革
① 打球判断を“予測ゲーム”にする
ノッカーが振りかぶった瞬間、心の中でこう考えます。
-
「ゴロか?ライナーか?」
-
「右か左か?」
-
「強い?弱い?」
当たった瞬間に答え合わせ。これを続けると、
-
一歩目が速くなる
-
打球への反応が鋭くなる
試合でのファインプレーは、最初の一歩で決まります。
② 捕った後の「次のプレー」まで考える
捕球で終わらせないことが超重要です。
シチュエーション例①
ランナー1塁、ライトへのヒット性打球
-
カットマンはどこ?
-
ワンバンで投げる?ノーバン?
-
2塁進塁は止めたい?
シチュエーション例②
1アウト2塁、三遊間の深いゴロ
-
ファーストは間に合う?
-
無理せず前に出す?
-
捕る体勢は横?正面?
実際に投げなくてもOK。体の向きと目線まで作るだけで、守備は一気に実戦的になります。
③ 声を出すことで集中力を保つ
声は、自分の集中を切らさない“スイッチ”です。
おすすめの声出し
-
捕球前:「オッケー!」
-
捕球後:「ワンアウト!」
-
仲間に:「ナイス!」「次いこう!」
声を出すと、
-
周囲が見える
-
頭が切り替わる
-
チーム全体が締まる
集中力が切れやすい選手ほど、声を出した方がいい。
短時間で効果を出す「ノックの受け方」(チーム編)
おすすめルール
-
10球集中制
-
10球だけ全力
-
終わったら即交代
-
-
テーマ設定
-
今日のテーマは1つだけ
-
例:
-
「一歩目を速く」
-
「低い目線で捕球」
-
「捕ってすぐ投げる体勢」
-
-
量を減らして、質を上げる。これだけでノックの濃度は段違いです。
まとめ|ノックは「守備の本番練習」
ノックは、
-
守備位置
-
打球判断
-
状況判断
-
集中力
すべてを同時に鍛えられる、最高にコスパの良い練習です。ただ捕るだけではもったいない。「この1球でアウトを取る」その意識で受けたノックは、必ず試合で生きます。
次のノックから、一球一球を“試合”だと思って入ってみてください。守備は、意識で必ず変えられます。


コメント