「簡単なゴロをトンネルしてしまう」「グラブに当たっても捕れない」……。こうした守備のミスは才能のせいではなく、腰の高さやグラブの角度といった「準備」の不足が原因です。
この記事は、「エラーを減らして信頼を勝ち取りたい」選手や、基本を正しく教えたい保護者の方に向けて書きました。現役コーチの視点から、「構え」の正解やグラブの寝かせ方など、ミスを劇的に減らす具体的技術を詳しく解説します。
この記事を読めば、バウンドが正しく見える「目線」が分かり、安定した守備力を手に入れる確実な一歩を踏み出せるはずです。
①「腰を下ろす」では足りない
正解は「股関節を割る」
「腰を低くしろ!」これは誰もが一度は言われた言葉です。でも、エラーが減らない選手ほど、膝だけを曲げて腰を落としていることが多い。
よくある失敗例
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膝が前に出る
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上半身が立ったまま
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低いバウンドに対応できない
この状態では、ボールを見る目線が高くなり、距離感が狂います。
正しい姿勢の作り方(図解イメージ)
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足幅は肩幅よりやや広く
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お尻を後ろに引く
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股関節に上体を乗せる
この姿勢を取ると、
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目線が自然と低くなる
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バウンドを「横」から見られる
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グラブが地面に近づく
僕はよく「しゃがむんじゃない。構えるんだ」と伝えています。
② グラブは「立てるな、寝かせろ」
捕球ミスが多い選手に共通するもう一つの特徴。それが、グラブを立てて出していることです。
立てたグラブの問題点
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捕球面が小さい
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少しのイレギュラーで弾く
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トンネルになりやすい
改善の極意
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グラブの先を地面へ
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指先を「突き刺す」イメージ
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手のひらをボールに向けたまま寝かせる
こうすると、
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ボールを受け止める“壁”が大きくなる
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弾いても体の前に落ちる
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セカンドチャンスが生まれる
守備が安定する選手ほど、グラブは「動かす道具」ではなく「置く道具」です。
③ グラブは「早すぎる」くらいでちょうどいい
トンネルが多い選手ほど、グラブを出すのが遅い。
よくある勘違い
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「来てから出す」
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「最後に合わせる」
これは、
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突き指
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弾き
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トンネル
すべての原因になります。
理想のタイミング
捕球地点の 1〜2m手前でグラブ完成
僕がよく言う言葉があります。「グラブは下から上へ」最初から低ければ、急なバウンドにも対応できます。
④ シングルハンド(横の打球)で差がつく
正面だけ捕れても、試合では評価されません。内野手が必ず直面するのが、横の打球です。
シングルハンド捕球の基本
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グラブは体の外側
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グラブの先を地面に向ける
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ウェブ(網)でボールを迎えにいく
特に逆シングルでは、
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グラブを立てる → 弾く
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グラブを寝かせる → 吸い込む
この差がはっきり出ます。
僕は「ボールを捕りにいくな。グラブの中に呼び込め」とよく伝えています。
グラブ捌きと「メンテナンス」は直結している
ここで重要な話です。
グラブが硬いと…
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寝かせられない
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指先が使えない
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弾きやすい
特に中学生は、
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新しいグラブ
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型ができていない
この状態でノックを受け続けると、正しい形が身につきません。
最低限やってほしいこと
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ポケットを意識した型付け
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指先まで柔らかく
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毎日数分の手入れ
守備練習とメンテナンスは、セットです。
⑤ 自宅で3分、捕球が変わる練習
壁当てスロー
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テニスボール使用
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低いバウンドを意図的に
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グラブを寝かせることだけ意識
股関節ストレッチ
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股割
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左右への体重移動
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低い姿勢を楽に保つ
僕はいつもこう言います。
「ノックで100本捕るより、正しい形で10本の方が価値がある」
まとめ|守備は「才能」ではなく「準備」
守備が安定しない原因は、反応でもセンスでもありません。
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目線の高さ
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腰の入り方
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グラブの角度
この準備で、ほぼ決まります。「自分は守備が苦手だ」そう思っている選手ほど、次のノックでいつもより“ほんの一握り分”腰を深く入れてみてください。その一歩が、チームから信頼される内野手への近道です。


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