素振りは回数より質。コーチが教える「意味のある素振り」のやり方

バッティング指導

「毎日100回振っているのに、結果が出ない」と悩んでいませんか?実は、素振りで一番怖いのは「回数」が目的になり、間違ったフォームを脳に上書きしてしまうことです。

この記事は、「努力を安打へ繋げたい」選手や効率的な練習法を模索する保護者に向けて書きました。現役コーチの視点から、「回数至上主義」の落とし穴や、再現性を高めるための「トップの作り方」、短時間で劇的な効果を出す具体的メニューを詳しく解説します。

この記事を読めば、ただの作業だった素振りが「打てる技術」に変わり、最小限の回数で最大の成果を出すコツを習得できるはずです。

なぜ「回数」を目標にしてはいけないのか?

多くの選手はこう言います。

  • 「今日は300回振りました」

  • 「ノルマは毎日500回です」

でも、ここに大きな落とし穴があります。

僕自身の失敗談

高校時代、僕も「とにかく振れ」と言われ、毎日500回を目標に素振りしていました。

結果どうなったか。

  • 後半は腕だけで振る

  • トップが浅くなる

  • タイミングがどんどん合わなくなる

量をこなすほど、フォームが雑になっていたんです。回数が目的になると、脳はこう考えます。

「どうすれば楽に回数を消化できるか」

それは、試合で必要な動きとは真逆です。


素振りの本当の目的は「再現性」

素振りの目的は一つだけです。「試合でヒットを打ったときの動きを、何度も再生すること」

そのために重要なのは、

  • 何回振ったか

  • 何分やったか

ではなく、

  • その1回は試合と同じだったかです。


【コーチ直伝】素振りの質を変える3つの視点

① 1回ごとに「対戦相手」を作る

ただ振らない。必ず、頭の中でピッチャーを立たせます。

  • カウントは?

  • コースは?

  • 球種は?

▶︎ 僕が選手に言っていること
「今の1回、誰と勝負してた?」

この質問に答えられない素振りは、ただの腕振り体操です。


② 「トップ」は止まる場所ではなく“溜まる場所”

ここで専門用語を一つ、僕なりに説明します。

トップの作り方(自分流解説)

トップとは、バットを高く上げることではありません。僕の定義はこれです。

「これ以上待ったら振り遅れる、一歩手前の状態」

▶︎ 体験談(ここだけ深掘り)
僕は昔、トップを作ろうとして「一回、止めてから振る」癖がありました。

結果、

  • 差し込まれる

  • 変化球に合わない

コーチに言われた一言が忘れられません。

「トップは“止まる場所”じゃない。“溜まる場所”」

そこから意識を変えた素振りをすると、

  • タイミングが合う

  • 体が自然に回る

トップは準備完了の合図なんです。


③ インサイドアウトは「内から振る」意識じゃない

これもよく誤解される言葉です。

インサイドアウト(自分流解説)

よくある説明
→「バットを内側から出す」

僕の説明
「体の回転に、バットが置いていかれない状態」

無理に内から出そうとすると、

  • 手だけで振る

  • ヘッドが下から出る

音の鳴る位置を意識してください。

  • 体の近く → NG

  • ミートポイント → OK

音は、正直です。


おすすめ:30回で終わる集中素振りメニュー

僕が実際に勧めている内容です。

スローモーション素振り(5回)

  • 10秒かけて1スイング

  • 軌道とトップを確認

トップ確認素振り(5回)

  • トップまで3回

  • 4回目で一気に振る

場面設定フルスイング(20回)

  • 球種・コースを毎回変更

  • 全力で振る

合計30回

これで十分です。むしろ、これ以上は集中力が落ちます。


まとめ:素振りは「脳」に覚えさせる練習

素振りは、

  • 筋トレでも

  • 根性論でもありません

脳に「正しい映像」を何度も再生させる練習です。

今日から、回数は数えなくていい。その代わり、「今の1回、試合で使える?」

そう自分に聞いてください。


コーチから最後に

素振りは料理の下ごしらえと同じです。

雑にやれば、どんなに良い素材(パワー)があっても、美味しい料理(ヒット)は作れません。

一振り一振り、「これは試合の一球だ」と思って振ってみてください。

その意識が、次の試合の“あの一本”を連れてきます。

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