「必死に練習しているのに、なぜ自分はベンチなのか」……。実力が伯仲するチームほど、選ばれない悔しさは募るものです。実は、指導者がレギュラーを決める際、技術以上に重視する基準があります。
この記事は、「レギュラーを掴みたい」選手や保護者の方に向けて書きました。現役コーチの視点から、信頼される「計算できるミス」の重要性や、練習前の所作が持つ戦術的価値など、監督が思わず「使いたくなる選手」の共通点を詳しく解説します。
この記事を読めば、技術だけでは超えられない壁を突破するヒントが見つかり、明日からグラウンドで取るべき行動が明確に変わるはずです。
コーチは「技術」よりも「ミスへの対応力」を見ている
意外に思われるかもしれませんがコーチが見ているのは「誰が一番上手いか」ではなく「誰が一番、計算できる失敗をするか」です。
100点より、50点を安定して出せるか
試合で本当に必要なのは、派手な一発よりも確実なアウト確実な進塁確実なカバーです。
正直に言います。「今日は当たってるけど、明日は読めない選手」は怖くてスタメンに入れられません。
コーチの本音
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この選手を出したら、大崩れはしないか
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ミスしても、試合を壊さないか
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最低限の仕事はしてくれるか
この「安心感」がレギュラーかどうかを分けます。
ミス直後の「顔」と「一言」
エラーしたあと下を向いて黙り込む選手すぐに顔を上げて「次いきます!」と声を出す選手、技術が同じなら迷わず後者を使います。
これは経験上、間違いありません。ミスを引きずる選手は、次の一球でほぼ確実に判断を誤ります。
練習前の「何気ない時間」に本性は出る
これはあまり知られていませんがコーチは練習が始まる前の時間を一番よく見ています。
集合の速さと、話の聞き方
「集合!」の声で真っ先に走ってくる選手最後まで手袋を外さずダラダラ来る選手この差は試合のワンプレーで必ず表に出ます。
特に印象に残るのは目を見て「はい!」と返事をする選手です。それだけで「こいつ、伸びるな」そう感じることは本当に多いです。
誰も見ていない時の行動
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グラウンド整備を黙ってやる
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水飲みの合間にシャドウをする
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道具を丁寧に扱う
こうした行動はアピールしなくても必ず誰かが見ています。
実際にあった話
私がかつて見ていた選手で3年間、ほぼ補欠だった子がいました。技術は平均的足も特別速くない。ただ誰よりも早く来て黙々とグラウンド整備をしていた。
最後の夏決勝戦の終盤その子を代打で送りました。
結果は、スクイズ成功。
派手さはないけれど「この場面を任せられる」と自然に思えたんです。
「声」は、今すぐ使える最強の武器
声出しは精神論ではありません。完全に戦術です。
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アウトカウントの共有
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守備位置の確認
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仲間のミスを切り替える声
特に控え選手にとって、声は「今、ここにいる理由」を作れます。
正直に言うとベンチで黙っている選手より、声で流れを変えられる選手の方が使いたくなります。
代走守備固め終盤の1プレー、そこからレギュラーが始まることも本当に多いです。
逆転の近道は「自分の役割」を決めること
全員が4番でエースになる必要はありません。レギュラーへの最短距離は「この場面なら、こいつ」とコーチに思わせることです。
例えば
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代走なら任せられる
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バント成功率なら一番
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声と気配りで投手を支えられる
強みは一つでいい。それを誰よりも尖らせてください。
まとめレギュラーは「奪うもの」ではなく「信頼の結果」
私は采配を振る立場としていつもこう考えています。「勝ちたい」その一点だけです。
だからこそ信頼できる選手を使います。
「全力疾走」「大きな返事」「道具を大切にする」「仲間を応援する」
それらは今日から変えられることです。その積み重ねがある日突然、背番号に表れます。
次の練習グラウンドに入る一歩目を、ほんの少しだけ速くしてみてください。それをちゃんと見ている人間がベンチにいます。
――間違いなく。


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